症状

About symptoms

梅毒について

About syphilis

ロゴ ポイントのまとめ

  • 梅毒はスピロヘータ科トレポネーマ属の細菌であるTreponema pallidum subsp. pallidum(梅毒トレポネーマ)による代表的な性感染症です。
  • 梅毒の発生件数は2011年以降増加しています。
  • 感染経路はほぼすべて性的接触です。
  • 梅毒には早期梅毒と後期梅毒という時期による症状の違いがあります。
  • 梅毒には症状のない潜伏梅毒があります。他に梅毒の妊婦より胎児に感染する先天梅毒があります。
  • 現時点で梅毒の培養は成功しておらず、このため血液検査で抗体検査を行い診断するのがメインです。
  • 治療法はペニシリンでの治療を行います。この内服は28日間内服してもらいます。
  • 治癒したかどうかも内服4週後の採血にて確認を行っていきます。
  • 再発の可能性も考え、1年くらいのフォローがふさわしいといわれています。
  • 梅毒の方と性交渉を持った場合には、その方も検査をされた方が無難です。

ロゴ 梅毒とは?

梅毒はスピロヘータ科トレポネーマ属の細菌であるTreponema pallidum subsp. pallidum(梅毒トレポネーマ)による代表的な性感染症です。

この感染症はコロンブスが新大陸からヨーロッパに持ち込んだという説があり、このことにより、梅毒という感染症が世界に認識されることとなりました。当時は効果的な抗生剤もないため、梅毒に一度かかると最終ステージまで進み、神経系統を侵され命を落とす疾患でした。あの禁酒法時代のシカゴを闊歩していたアル・カポネも梅毒に冒されていたといわれています。

ロゴ 梅毒の頻度

梅毒の発生件数は2011年以降増加しており、令和元年では男性4387名、女性2255名の発生が報告されています。(厚生労働省 性感染症報告数(2004年~2019年)https://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0411-1.htmlより)
女性は2014年頃より増加を認めています。

年齢別では男性では20歳代~40歳代、女性では20歳代がもっとも多くなっています。感染経路は2017年の報告では99%が性的接触でした。

ロゴ 症状と病期

梅毒は非常に複雑な自然経過をたどります。このため、性交渉による感染の成立から症状と病期で説明していこうと思います。

早期梅毒

感染から1年未満の梅毒です。性交渉での感染力が強いといわれています。

早期梅毒 第1期

感染後、約1か月前後、遅くとも3か月以内に梅毒トレポネーマが進入した局所に、小豆大までの軟骨ぐらいの硬さのできものをふれ、これを初期硬結と言います。痛みはないことが多いです。これらは、周囲への浸潤がつよくなり、中心がへこんで潰瘍となり、周囲が盛り上がります。これを硬性下疳(こうせいげかん)といいます。これらが出た少し後くらいから所属リンパ節の腫脹を認めます。陰部での感染であれば股の部分のリンパ節が腫れます。痛みはないことが多いです。この後、何もしなくても数週間で良くなり、第2期に移行するまで無症状となることが多いです。

早期梅毒 第2期

感染後おおむね1~3か月後、遅くて6か月で症状が出ます。これは梅毒トレポネーマが全身に散布されるために現れる症状です。まず、典型例では梅毒性ばら診が感染後約9週程度で現れます。これは全身に赤い斑点が多数出ます。これが数週で消えたのちに、数週間で丘疹性梅毒になります。これは肛門の周囲や陰部に好発し、えんどう豆くらいまでのもので扁平コンジローマと言われます。この内部には多量の梅毒トレポネーマが含まれています。他にも髪に行くと脱毛を来したり、爪に行くと潰瘍や膿瘍を形成したり、非常にまれですが、消化器にも感染し、胃や直腸などに病変を形成することがあります。

後期梅毒(第3期梅毒)

感染から1年以上経過した梅毒で、性交渉での感染力はないとされています。
梅毒が未治療のまま経過し、血中からの梅毒が消え、局所にとどまったまま数年経過して、ゴム腫という皮下の結節を形成したり、脊髄といった神経に行ったもので活動性がその部位であった場合には麻痺を来したりする可能性がありますが、抗生剤が多数使用される日本では、ほとんど見ることがない症状です。

潜伏梅毒

自覚症状がない状態ですが、既往歴、性交渉などの感染のリスク、採血での検査で感染の状態であり、治療が必要と判断された活動性梅毒のことを言います。

先天梅毒

活動性梅毒と診断された妊婦から胎盤を通じて胎児に伝播されるものです。活動性梅毒では多臓器に症状が及びます。このなかで無症状の場合には潜伏梅毒になります。

ロゴ 検査

本来であれば、病原体である梅毒トレポネーマを病変部位から検出できればいいのですが、現時点で培養に成功できていないため、検査不可能です。
このため、梅毒トレポネーマの遺伝子を調べるPCR(polymerase chain reaction)を用いて確定診断する方法もありますが、日本では保険適応になっていないことおよび検体採取にかなり習熟していないと検出が困難であることもあり、これらの方法は現実的ではありません。
そのため、採血で細菌が来た際に免疫細胞が産生する抗体を測定することで間接的に測定をするようにしています。
測定内容は非トレポネーマ脂質抗体と梅毒トレポネーマ抗体です。非トレポネーマ脂質抗体は感染初期に上昇してきて梅毒の活動性の指標になります。梅毒トレポネーマ抗体は治療後も抗体価は減少するものの継続的に陽性となるため、過去の梅毒感染との区別がつきにくく、梅毒トレポネーマ抗体陽性には潜伏梅毒あるいは梅毒既往の可能性があります。
このことより、2つの検査を合わせて現状を判断していく形となります。

ロゴ 治療

まずは梅毒にならないこと、予防のことについてです。

感染者、特に感染力の強い第1期や第2期の感染者との性交渉は避けることが基本です。コンドーム使用にて完全ではないのですが、少しは予防効果があるのではと言われています。

続き治療です。これは抗生剤のペニシリンでの治療が原則となります。内服薬ですが、4週間内服してもらいます。この上で先の検査を4週間隔で行い、非トレポネーマ脂質抗体が有意に低下したら治癒と判断します。この後も再燃の可能性があるため、可能であれば1年間くらいのフォローが望ましいです。

ペニシリンがアレルギーなどで内服困難の場合にはミノサイクリン、スピラマイシンの内服、症状が神経梅毒である場合にはペニシリンも点滴で行くなどその時に応じて変わります。 またペニシリンでの治療での注意点ですが、投与開始の初めにヤーリッシュ・ヘルクスハイマー(Jarisch-Herxheimer)反応という発熱がみられること、投与8日目くらいで薬による薬疹がみられることがあります。いずれも女性におこりやすいです。

ロゴ パートナーについて

梅毒と診断された方と3か月以内に性交渉を持った場合には、早期梅毒や潜伏梅毒からの感染のリスクがあるため、検査が必要です。しかし、感染から間もない場合、見逃しを防ぐために検査が陰性と出ても3か月間は経過をみていくのが無難です。

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