症状

About symptoms

性器ヘルペスについて

About Genital herpes

ロゴ ポイントのまとめ

  • ヘルペスは現代の医学で完治する病気ではありません。
  • 性器ヘルペスとは単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus)の1型(HSV-1)または2型(HSV-2)の感染が原因です。
  • 性器ヘルペスは一旦治癒したのちに腰仙髄神経節などに潜伏感染します。
  • 疲労などによる免疫低下状態になった際に再度、活性化して病変を形成します。
  • 性器ヘルペスの発生件数は近年横ばいです。
  • 感染経路はHSV-1では、主に口と口との接触で伝播し、HSV-2の感染は、ほとんど例外なく性交渉で伝播します。
  • 性器ヘルペスは初めてかかった初発型と再発する再発型があります。
  • 初発型は感染してから2~10日間の潜伏期間を経て外陰部に小水疱出て、その3~5日程度で、この水泡が破れてつながり浅い潰瘍性病変となります。
  • 病変部位は男性では包皮、冠状溝、亀頭、女性では外陰部や子宮頚部です。
  • 初発型はかなり痛みもあり、鼠径リンパ節も腫れ、尿道分泌物も認めます。発熱などの全身症状を伴うことも多いです。
  • 初発型は経過を見ていても2~4週間で自然に治癒してしまうことが多いです。
  • 再発型は初発型と同じ部位に病変を作ることが多いですが、症状は軽めです。
  • 再発型は1週間程度で症状が治まりますが、この間、全身倦怠感や下肢の違和感が続くことがあります。
  • 再発の頻度はHSV-2のほうがHSV-1感染よりもはるかに多いです。
  • 検査は外陰部に浅い潰瘍性の病変や水疱性の病変を認めた場合にはまずは性器ヘルペスを疑います。
  • 他の検査としてウイルス分離培養法、抗原診断法、核酸診断法、抗体価測定がありますが一長一短です。
  • 治療は内服薬で行います。重症例では点滴を行います。
  • 性行為のパートナーの性器に潰瘍や水疱性のものを繰り返す場合には医師への受診を進めてください。
  • 症状のないヘルペスの方との性行為ではコンドームを使用することおすすめします。しかし、コンドームでカバーできるのは陰部だけであるので他の部位からの感染を完全に防ぐことはできません。

ロゴ 性器ヘルペスとは?

性器ヘルペスとは単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus)の1型(HSV-1と略します)または2型(HSV-2と略します)の感染が原因です。他にもヘルペスウイルスには3型の水痘・帯状疱疹ウイルス、5型のサイトメガロウイルス、6型、7型は突発性発疹の原因ウイルスです。

話を戻ると感染経路はHSV-1では、主に口と口との接触で伝播し、HSV-2の感染は、ほとんど例外なく性交渉で伝播します。

単純ヘルペスウイルスの感染により、感染部位に浅い潰瘍もしくは水疱を作ります。これらは様子をみていても治りますが、その後も完全にウイルスが排出されることはなく、神経を伝って仙髄の神経節に潜伏感染をします。

その後、疲労などで免疫が低下したときや性行為といった刺激により再活性化し、再度神経に沿って陰部に行き皮膚や粘膜に病変を作ります。

ロゴ 性器ヘルペスの頻度

性器ヘルペスの発生件数は男女ともに変わりなく横ばいです。2019年は男性3,520人、女性5,893人の合計9.413人でした。(厚生労働省 性感染症報告数(2004年~2019年)https://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0411-1.htmlより)
年齢別では男性では30歳代がもっとも多いですが、20歳以上はまんべんなくいる印象です。女性では20~30歳代がもっとも多くなっています。

世界では、HSV-1は推定で50歳未満の37億人(67%)が感染しているといわれています。

HSV-2は推定で15歳から49歳までの4億1700万人が感染しているといわれています。

ロゴ 性器ヘルペスの症状

性器ヘルペスに初めて感染するのを初発型といいます。感染してから2~10日間の潜伏期間を経て外陰部にすこしかゆみのある小水疱(1~2mm程度)が複数個出現します。その後3~5日程度で、この水泡が破れてつながり浅い潰瘍性病変となります。病変部位は男性では包皮、冠状溝、亀頭、女性では外陰部や子宮頚部です。この際にはかなり痛みもあり、鼠径リンパ節も腫れ、尿道分泌物も認めます。発熱などの全身症状を伴うことも多いです。経過を見ていても2~4週間で自然に治癒してしまうことが多いです。そして治った後に先に書いた通り仙髄の神経節に潜む形となります。

再発することも多いです、再発時は初感染と同じ場所やおしり、太もものあたりに水疱性もしくは浅い潰瘍を作りますが、初発と比較し、症状は軽く治癒までの期間も1週間以内と短いです。しかし、この1週間程度の間、全身倦怠感や下肢の違和感などが続くこともあり、心身に過大な負担をかけることもあります。再発の頻度はHSV-2のほうがHSV-1感染よりもはるかに多いです。

ロゴ 検査

外陰部に浅い潰瘍性の病変や水疱性の病変を認めた場合にはまずは性器ヘルペスを疑います。そのうえで検査ですが、ウイルス分離培養法、抗原診断法、核酸診断法、抗体価測定です。まずはウイルスの分離培養法は診断にはもっとも正確なのですが未承認検査で時間がかかります。抗原抗体法は診察室でも可能な検査で、水疱の下にいる感染した細胞を綿棒でとり検査します。15分ほどで結果がでて検出感度は88%であり、初発94%、再発85%で診断可能です。しかし、HSV-1かHSV-2なのかの型の判別はできません。また病変が小さい場合には陰性になることがあります。核酸診断法は免疫不全状態の方にのみ行える検査です。抗体価測定は採血にて血中の抗体を測定する方法ですが、以前にすでにかかっている場合には抗体が持続的に陽性になっている場合や、水痘・帯状疱疹ウイルスにかかっていても陽性になる可能性もあり判断に難渋します。

ロゴ 治療

まず前提としてヘルペスは現代の医学で完治する病気ではありませんので、もし感染した場合には再発の予防が重要となります。

そのうえで初発病変に対してはちゃんとした治療が必要であると考えられています。これは早期に発見し適切に治療をすることにより今後の潜伏感染のウイルス量を減らせる可能性があり、このことにより再発の可能性を少なくすることができるためです。治療内容は抗ウイルス薬であるアシクロビルを基本は5日間内服してもらいます。重症例では点滴で治療を行うこともあります。再発時でも同様に内服薬を5日間内服ですが、発症してから1日以内でないと効果がないといわれています。

このためPIT(patient-initiated therapy)というものを行うことがあります。この方法は再発の頻度が年3回以上で、再発の予兆がわかる患者さんが対象です。あらかじめ治療薬を2錠渡しておき、予兆があったらすぐに1錠飲んでもらい、その半日後にもう1錠を飲んでもらう方法です。これにより症状がある期間を減らすことができます。

他には年に6回以上再発を繰り返す患者さんには内服薬を1日1回継続で投与するといった再発抑制療法もあります。

ロゴ パートナーと予防について

性行為のパートナーの性器に潰瘍や水疱性のものを繰り返す場合には医師への受診を進めてください。しかし感染源と考えられるパートナーの70%は無症状でかつ自分で認識はしていないとされています。このため、症状のないヘルペスの患者との性行為ではコンドームを使用することおすすめします。しかし、コンドームでカバーできるのは陰部だけであるので他の部位からの感染を完全に防ぐことはできません。

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