About symptoms
About Balanoposthitis
ポイントのまとめ
亀頭包皮炎とは
包皮と亀頭の炎症であり、包茎に伴うことが多く、十分な衛生状態を維持できない乳幼児にしばしば発生します。
症状
小児ではペニス先端に赤みや疼痛がある、下着に膿がつくといった訴えが多いです。
成人では亀頭および包皮に発赤(赤くなること)、びらん(ただれていること)等をきたした状態でこられます。
原因
これは小児と成人では異なります。
小児の場合ほとんどは細菌感染によるものです。もともと小児では真性包茎や仮性包茎の状態であり、これに包皮と亀頭の問にたまった恥垢や尿に細菌感染が加わって亀頭包皮炎が発症すると考えられています。原因となる細菌はブドウ状球菌などのグラム陽性球菌が多いです。
成人の場合にはかなり複雑です。
まずは、特に問題のないところでは、赤くなっているのみである場合には、お風呂の際に過剰に石鹸で洗いすぎている場合もあります。
治療が必要なところとして、小児と同じく単なる細菌感染の場合もありますが、長引く場合には基礎疾患として糖尿病が隠れており、これによる易感染性に伴うもの、真菌感染があるものもあります。信金ではカンジダが多いです。糖尿病では30%の方で亀頭包皮炎を経験したとの報告もあります。さらには性活動期の男性では口腔性交による亀頭包皮炎も増加しています。この場合の原因菌は化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)です。クラミジアによるものもまれにあります。
それ以外でも扁平苔癬、乾癬、薬疹などの全身疾患の症状の一部であることがあり,またBowen癌やPaget病など悪性腫瘍もあるので難治な場合には皮膚科専門医の先生と相談しながら治療に当たらなければならないことがあります。
検査
小児の場合には陰茎を痛がります。視診にて亀頭、包皮の発赤や排膿がないかを確認します。この際に、少し痛いかもしれませんが触診にて少し包皮をむいてしっかり膿を出し切る、炎症を起こしているところまで診ることが治療にもつながってきます。膿がある場合は程度に応じて細菌培養検査を追加することがあります。これはどのような細菌がついているのか確認することにより、どのような抗生剤が効果的であるのかを確認することができます。
成人ではかなり複雑です。まずは問診にて持病の有無、内服薬の確認、普段の陰茎の洗い方、ここ数週で性交がなかったかなどをお伺いします。
そのうえで、小児と同じように視診、触診を行います。治療に抵抗する場合には、細菌培養検査に加え真菌培養検査も加えることもあります。さらに難治性の場合には皮膚科専門医の先生に紹介し病変部の組織を採取してどのような異常があるのか確定することもあります。
治療
まずはお風呂で局部を洗いすぎの人にはお湯で軽くすすぎ、やさしく拭く程度でいいことを説明します。洗いすぎの人はこれだけで治ります。
次に実際に感染がある場合にはまず軟膏治療を行います。これは抗菌薬と炎症を抑えるステロイド含有の軟膏を処方することが多いです。この際には軽く亀頭が見える程度まで包皮をむいて軟膏を塗ります。
ここで注意ですが、包皮のむきすぎはダメです。またむいた後はかならず元に戻してください。むいたまま放置をすると嵌頓包茎になる可能性があります。
陰茎全体が腫れているなど、症状がひどい場合には抗生物質の内服薬を併用することもあります。
一度治ったのちにも何度も繰り返す場合で包茎が原因の場合には包茎の手術をおすすめすることがあります。
成人で難治性の場合には、採血で糖尿病の有無を確認したり、真菌の関与を考え抗真菌薬の軟膏を追加したり、薬疹の可能性を考え、最近追加された薬がないかの確認を行ったりします。皮膚生検で全身疾患が見つかった場合にはそちらの治療を行うこととなります。