症状

About symptoms

性器脱(骨盤臓器脱)について

About Stress urinary incontinence

ロゴ ポイントのまとめ

  • 骨盤臓器脱とは膣から骨盤内の臓器が出てくるものです。
  • 日本での詳しい発症率のデータはありません。
  • 欧米での発症率の報告では50歳代の女性の約55%、出産経験者の44%が骨盤臓器脱の症状を有しているといわれています。
  • 股の部分にピンポン玉のようなものを触れる、おなかに力を入れると飛び出してくる、夕方や疲れた時に膣内に違和感(なにかが降りてくる感じ)があるといった訴えが多いです。
  • 泌尿器科としての症状は頻尿、尿意を我慢できない尿意切迫感、尿が出にくい排尿困難などです。
  • 骨盤臓器脱は骨盤底筋群が緩むことに徐々に膀胱や子宮、直腸といった骨盤内臓器が膣より垂れ下がってくる病気です。
  • 骨盤底筋群が緩む原因は妊娠、経腟分娩、肥満、腹圧がかかることが多い人、閉経後の女性では女性ホルモンの分泌低下も原因の一つと言われています。
  • 検査は問診、検尿、残尿測定、尿流量測定、採血、腹部エコー検査、台上診(内診)、MRIがあります。
  • 骨盤臓器脱は薬では治りません。このため、治療は行動療法、ペッサリーの挿入、手術になります。

ロゴ 性器脱(骨盤臓器脱)って?

まずは言葉の話ですが、以前は子宮、膣が脱出するものが多かったため性器脱と言われていましたが、現在は腸の脱出も含め骨盤臓器脱と言われることが多いです。骨盤臓器脱とは膣から骨盤内の臓器が出てくるものです。正常な位置から外へ飛び出るものを医学的にヘルニアと呼びます。
このため、骨盤臓器脱とは骨盤臓器ヘルニアの総称になります。これにも種類があります。飛び出るものにより、膀胱脱、子宮脱、直腸瘤、小腸瘤と呼びます。
また子宮全摘出後の膣の断端が飛び出るものを膣断端脱といいます。

ロゴ どれくらいの人が性器脱(骨盤臓器脱)になるのか?

日本での詳しい発症率のデータはありませんが、欧米での報告によると20歳から59歳までの女性の約30%に50歳代の女性の約55%、出産経験者の44%が骨盤臓器脱の症状を有しているといわれていて、11.1%の女性がその生涯の間に外科的治療を受けるといわれています。

ロゴ 性器脱(骨盤臓器脱)の症状

症状は座っているとボールに乗ったような違和感がある、股の部分にピンポン玉のようなものを触れる、おなかに力を入れると飛び出してくる、夕方や疲れた時に膣内に違和感(なにかが降りてくる感じ)があるといった訴えが多いかと思いますが、徐々に進行しておられる方では症状がないこともあります。

また他には尿の回数が増えた(頻尿)、おしっこが急に行きたくなって我慢できない(尿意切迫感)、尿がもれる(尿失禁)、尿が出にくい(排尿困難)といった泌尿器科に関係する症状に加え、性交困難や便秘といった症状が出ることもあります。

ここで泌尿器科として一つ注意なのですが、骨盤臓器脱が進行すると上記の頻尿、尿失禁が改善することがあります。これは脱が進行して尿の出口を周囲から圧迫し、塞ぐためと考えられています。

ロゴ 原因

骨盤内の臓器は骨盤底筋群という筋肉やじん帯で骨盤の中に支えられています。この骨盤底筋群が緩むことに徐々に膀胱や子宮、直腸といった骨盤内臓器が膣より垂れ下がってきます。これが骨盤臓器脱です。
骨盤底筋群が緩む原因は妊娠、経腟分娩、閉経後の女性では女性ホルモンの分泌低下も原因の一つと言われています。さらに腹圧がかかることが多い人もなりやすいです。具体的には便秘でいきむことが多い人、肥満、咳がずっと続く、喘息、花粉症、疾患以外では重い荷物を持つことが多い人、立ち仕事が多い人、他には子宮摘出術を過去に受けた人などがなりやすい傾向があります。

ロゴ 検査

検査は問診、検尿、残尿測定、尿流量測定、採血、腹部エコー検査、台上診(内診)、MRIがあります。すべての方にすべて行うわけではなく、その時の状態により適宜行っていきます。

問診

問診にて骨盤臓器脱を来す因子、悪化させる因子をお伺いします。他に先にも書いた通り、原因として、過去の出産や手術、既往歴はリスク因子を把握するためにも重要です。

問診

検尿

検尿にて尿の濁っていて尿路感染症になっていないか、血尿がないかを確認します。

尿流測定

トイレ型の検査機器に排尿すると、尿の出方がグラフで示され、尿の勢い、排尿量、排尿時間などが自動的に数値化されて表示されます。これで自覚的な尿の出が悪いのを実際の数値として客観情報として評価できます。

残尿測定

排尿直後に膀胱内にどれくらいの尿が残っているかを超音波で測定します。

採血検査

これは腎臓の機能を確認する目的で血清クレアチニンを測定することがあります。すべての方に行うわけではありません。

超音波検査

まずは、おなかにエコーの機械をあてて、膀胱の形が変に歪んでないか、膀胱結石がないか、尿がすごくたまっていないか(残尿、尿閉など)の確認をします。他に必要があれば背中にもエコーをあてて、腎臓が腫れてないか(水腎症)、結石がないかなどを確認することもあります。

台上診(内診)

台上診(内診)は診断をするのに重要な検査になります。
まずは視診にて確認を行い、次に咳をしてもらうなど腹圧をかけてもらいながら膣より脱出する臓器がないかを確認します。この際に内診も併用し、どの部位から脱出を認めているのか把握することもあります。そして重症度も判定をします。

MRI

核磁気共鳴画像(MRI)は大きな磁石による強い磁場と電波を使って撮影します。放射線も出ていないため被爆の危険もありません。腹圧をかけながら撮影を行い、骨盤底の動きを見ることができます。手術を行う際などで参考とすることがあります。

MRI

ロゴ 治療

まず骨盤臓器脱は薬では治りません。

このため、治療は行動療法、ペッサリーの挿入、手術になります。

行動療法として、肥満の方は減量をしてください。便秘の方は便秘の改善に心掛けてください。場合によっては緩下剤を処方します。喫煙も避けられた方が無難です。症状は軽度の方では骨盤体操をしてもらいます。これにより骨盤底筋群が鍛えられ、骨盤臓器脱が軽減することがあります。

脱出が中等度になった場合には膣にペッサリーを挿入し、骨盤臓器脱を防ぎます。ペッサリーは大体3~6か月くらいで交換が必要です。他にいきんだ際にトイレに落としたり、膣内にびらんができた場合には中止せざる負えなくなる場合もあります。

これらの保存的な治療が困難である場合には手術治療となります。手術にはどこの部位が緩くなって脱出しているかにより、色々な手術方法があります。例えば膀胱脱であれば、膣のおなか側の壁が緩んでいるので、このゆるみを切除し、縫ってあげる手術(膣壁縫縮術)を行うなどです。これらの手術はもともと緩んでいるところを処置しているので術後に再発の可能性があります。この術後の再発をなくすために、経腟メッシュ(TVM)手術、腹腔鏡下仙骨膣(子宮)固定(LSC)術が施行されています。

当院ではペッサリーや手術は行いませんので、必要があれば適宜紹介をさせていただきます。

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