症状

About symptoms

精巣上体炎(急性と慢性)について

About Epididymitis

ロゴ ポイントのまとめ

  • 精巣の背側にある精巣上体の炎症による病気です。
  • 症状は患部自体として片方の精巣上体の腫大、発赤、浮腫を認め、全身症状として、発熱(38℃以上)、悪心、全身倦怠感を認めます。
  • 性感染症である、クラミジアや、まれですが、結核によるものであれば、症状は非常に軽度であることもあります。
  • 原因は年齢により異なり、小児や高齢者では大腸菌のような腸内細菌が多く、性活動期の方では性感染症が多いです。
  • 主な検査として、触診、検尿、エコー検査、採血検査があります。
  • 軽度の症状であれば、外来治療での抗生物質内服、もしくは点滴治療を行います。
  • 軽度の場合、3日間程度の治療で効果があれば、そのまま抗生物質治療を継続し、2~3週間抗生物質を使用します。
  • 重症の場合には入院での治療が必要です。
  • 抗生物質以外の治療として、ゆっくり寝てもらう、陰嚢を少し上げてもらう、疼痛部位を冷やしてもらうことで症状を少し軽減できます。
  • 慢性精巣上体炎は激しい発熱等はなく、精巣上体の不快感や鈍痛を主に訴えられます。治療は痛み止め等の対処療法がメインです。
  • 精巣捻転症との鑑別が重要となりますので、陰嚢の強い痛みは泌尿器科受診をおすすめします。

ロゴ 精巣上体とは

精巣上体は、副睾丸とも呼ばれています。
精巣の後ろにあり、左右両方ともにあります。ヒトの場合、ここで最大10億程の精子が貯蔵できると考えられています。主な役割は精子の輸送と成熟とその貯蔵です。

精巣内の精子は運動性がほとんどなく、精巣上体を通過する間に運動性と受精能を獲得すると言われています。

精巣上体とは

ロゴ 精巣上体炎の種類

精巣上体炎には急性精巣上体炎と慢性精巣上体炎があります。

急に症状がでるのが急性であり、慢性は精巣上体の不快感や鈍痛を主訴として来院されます。

ロゴ 症状

まずは急性精巣上体炎からです。
患部自体の症状として片方の精巣上体の腫大(陰嚢腫大で来られます)、発赤、浮腫を認めます。
全身症状として、発熱(38℃以上)、悪心、全身倦怠感を認めます。
これらの症状は絶対に生じるわけではありません。例えば、性感染症である、クラミジアによるものであれば、症状は非常に軽度であることもあります。

次に慢性精巣上体炎ですが、精巣上体の不快感や鈍痛を主に訴えられますが、通常は発熱を認めません。

症状

ロゴ 原因

急性精巣上体炎について書きます。

年齢により原因が異なることが多いです。

小児および高齢者では大腸菌を中心とした腸内細菌群の頻度が多いです。小児では他にエンテロウイルス、アデノウイルス、ムンプスウイルスが原因となることがあります。性活動期の男性では性感染症である淋菌、クラミジアが原因となることが多いです。

原因となる疾患や行動としては先ほどの性行為感染の他に、前立腺肥大症、神経因性膀胱、糖尿病、低免疫状態などの患者さん自体の要因と,尿道カテーテル留置、経尿道的前立腺手術、膀胱尿道内視鏡検査、BCG膀胱内注入などの何らかの医療行為が行われた後に起こることがあります。慢性精巣上体炎では、炎症、感染、尿路や精路の閉塞などが原因として考えられていますが、原因が特定できることは少ないです。

細菌やウイルスが入ってくる経路は大部分が、膀胱、尿道、または前立腺の感染が、尿の通り道に開口している射精管に入り、ここから精管を逆流し精巣上体に達し発症します。非常にまれですが結核菌は血行性、精管内性、リンパ行性の3つがありますが、ほとんどは血行性です。

また重要なこととして陰嚢が痛くなる疾患の中に、決して見逃してはいけない疾患として精巣捻転症があります。精巣捻転症は緊急手術の適応であるため、若い方であれば、鑑別のためにも泌尿器科の受診をおすすめします。

ロゴ 検査

年齢や症状により検査を組み立てていきます。

主な検査として、触診、検尿、エコー検査、採血検査があります。

まずは触診にて精巣、精巣上体の腫脹、圧痛を確認します。また、少し特徴的な所見として痛い側の陰嚢を持ち上げると痛みが軽減する(Prehn徴候陰性)という所見がありますが、あまり認めないことが多いです。

検尿についてですが、泌尿器科でやる検査に尿沈渣があります。これは顕微鏡にて、細菌を倒す白血球や実際に細菌がいないかを確認します。白血球が一定数(一視野あたり5個以上)認められれば、尿路感染症と診断します。

また、尿から実際にどのような細菌や真菌がいるのか同定する尿培養検査を追加することがあります。これに加え、病歴から性感染症が疑われる場合にはこれらの核酸増幅法(polymerase chain reaction:PCR)検査を行います。

エコー検査では、炎症所見で精巣が腫れ、精巣上体の腫大および血流の増加を認めます。

他に採血では、炎症所見の上昇を診る白血球数、CRP(C-reactive protein)の上昇ないかを確認します。

検査検査

ロゴ 治療

軽症であれば内服の抗生物質もしくはそり早く効果を出すため、抗生物質点滴で経過をみます。通常3日程度内服ないし点滴を行い、一度効果があるか外来に来てもらい確認したのちに効果があれば抗生物質治療をそのまま継続し、大体2~3週間程度の治療を行います。

また精巣上体に膿の塊(膿瘍)が疑われる、敗血症の可能性がある、倦怠感のため食事がとれない、水分もとれない、外来にて治療経過観察中に悪化した場合には入院での治療が必要です。この場合には抗生物質の点滴治療を行います。

膿瘍がひどくなり、陰嚢の皮膚から出てくる場合には精巣摘除が必要となる可能性があります。

他に、抗生物質以外の治療として、ゆっくり寝てもらう、陰嚢を少し上げてもらう、疼痛部位を冷やしてもらうことで症状を少し軽減できます。

慢性精巣上体炎では主な症状は陰嚢の疼痛症状であるため、治療は痛み止めを中心とした対症療法となります。

重要な点の念押しですが、原因のところでも述べましたが精巣捻転症との鑑別が重要となりますので、陰嚢の強い痛みは泌尿器科受診をおすすめします。

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