About symptoms
About Intrinsic phimosis
ポイントのまとめ
包茎について
包茎とは、包皮の先端が狭いために亀頭の露出が困難であることを言います。これが思春期を超えても続く場合に病的とし、真性包茎といいます。また包皮口が狭くなく、用手的に亀頭が露出できるが、余剰の包皮のために通常は亀頭が露出していない状態を仮性包茎といいます。
この包皮は幼小児期にはほぼ亀頭の上皮と癒着しています。これは生後3~4ヶ月で徐々に剥がれていきます。この際に出たゴミが白色のチーズ状の恥垢になります。これは病的なものではありませんが、時々、‘ちんちんから膿が出た’と駆け込まれる方もおられます。
半数以上の男児は乳児期では亀頭先端の一部も見えず、1歳になって完全に露出できるのは20%程度と言われています。このあとも徐々に亀頭の露出は進んで行き、95%以上の男児が主春季以降までに亀頭露出が可能となります。
では、なぜ、生まれたときから亀頭が露出されていないのかということですが、これには繊細な外尿道口(尿の出る部位)を守るという説やおむつを付けている間、尿のアンモニアに触れて亀頭の粘膜を障害しないためいう説明もあります。
このため、最前提として、包茎でなにか困る疾患がない限り、小児の包茎は経過を見るものであり、むやみに治療介入をしないのが原則です。
包茎に伴う症状
亀頭包皮炎
亀頭と包皮の間に発生する感染症です。子ども自身が陰茎を触わり、この際に少し傷つけ、ここから細菌が入ることが原因となることが多いです。
陰茎の発赤、痛み、膿が出るといった症状が出ます。
通常は抗生剤入の軟膏処方にて対処可能ですが、陰茎自体が腫れる場合には抗生剤の内服投与が必要となります。膿が包皮と亀頭の間にあきらかにある場合には包皮と亀頭の癒着を剥がして膿を出さざるおえないこともあります。
尿路感染症
これについては議論の分かれるところです。包茎により、外尿道口に細菌が常にいることにより外部からの侵入を防いでいると言う説もあり、一概に包茎が尿路感染症の原因ということはできません。しかし、尿路の何らかの先天奇形がある方は包茎であれば、これを治療しておけば今後の尿路感染症になった場合に対処が簡単になるということは言えます。
排尿障害
包皮口が針穴のように狭いと排尿時に包皮の中に尿がたまり風船のように膨らむ(バルーニングといいます)事があります。これだけで、異常といったことはありませんが、痛みや残尿がある等の異常を来す場合には治療の対象となります。
性感染症
性活動期になってからの淋病、梅毒、トリコモナスなどの性感染症の罹患率は包茎とは関係がありませんが、尖圭コンジローマで包茎のために治療が困難の場合には包皮を切除する治療をおすすめすることがあります。
治療
再度ですが、小児の亀頭露出困難なものにおいて治療の必要はありません。思春期まで経過をみてください。
それでもバルーニングが強く痛みが強い、残尿がある、感染を繰り返し、包皮の先端が硬くなってしまった、包皮輪が狭くて長いといった場合に治療をすることがあります。
非手術療法として、用手的包皮拡張術があります。これは家庭でゆっくり包皮を広げる方法で、毎日入浴時に少しずつ包皮と引っ張り、徐々に剥離していき、亀頭の先端が見えるようにする方法です。亀頭の一部が見えれば大丈夫です。
次はステロイド軟膏を包皮に塗る方法です。これにより包皮が徐々に柔らかくなり、亀頭が確認できるようになります。しかし、小児に少量とはいえ、局所にステロイド治療を行うことは、極力避けるべきであり、あまり積極的には行いたくない治療です。
他に有効な手段としては手術になります。目的は過剰な包皮を処理して、亀頭が見えるようにする事が目的です。手術の方法としては背面切開法、環状切開法、包皮形成術などが代表的です。