院長ブログ

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2021年10月25日

泌尿器科の手術の歴史について その5 19世紀以降の泌尿器科手術

今回は泌尿器科手術の歴史シリーズの5です。ここからは現在まで行きます。

泌尿器科の手術のメインは内視鏡手術です。膀胱内も膀胱鏡を用いた内視鏡手術がメインです。内視鏡はBozziniが1806年にローソクの光と反射鏡を用いてヒトの支給や尿道を観察したところから始まります。

続き、外科から泌尿器科という科を分離させたと言っても過言ではない、膀胱鏡の開発を1877年にNitzeが行います。この後、これは改良されて、現在の内視鏡手術が可能な膀胱鏡になりますが、これには膀胱内を明るく照らす技術として、1879年のEdisonによる白熱灯の発明、電気メスの開発につながる1888年のHerzによる高周波の発見、更にはYoungによる泌尿器科の手術用の膀胱鏡の形の開発があり、初めて現在の形となり、今日の膀胱鏡のプロトタイプをMcCarhtyが完成させました。これにより膀胱内の小さい腫瘍や前立腺肥大症の手術はお腹を切る必要がなくなりました。

続き腹腔鏡の手術ですが、これは1901年にKellingが犬の腹腔内に空気をいれ膀胱鏡で腹腔内を観察したのが最初です。続き人体へは1910年にスウェーデンのJacobaeusによって初めての腹腔鏡の手術が行われました。泌尿器科領域では1976年のCortesiによる腹腔内停留精巣の確認が最初と思われており、泌尿器科としての腹腔鏡の歴史は浅いです。その後は泌尿器でも腹腔鏡の手術は積極的に行われ、1991年Claymanらにより腹腔鏡による腎摘除術の報告を皮切りに、前立腺癌ステージングのリンパ節切除、精索静脈瘤のクリッピングなどへと広がりを見せています。これらのうちで腹腔鏡下副腎腫瘍切除術は日本の泌尿器科医師が開発した手術です。

このような形で手術はどんどん進み、今はロボット手術で遠隔治療も行える時代になってきました。ここで、手術の歴史シリーズは最後になりますが、今までの先人たちの努力の上に自分はあるのだという気持ちを忘れず、日々を過ごしていきたいです。

どうもありがとうございました。

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