院長ブログ

Director's blog

2022年1月2日

冷えと頻尿の関係について

新年あけましておめでとうございます。

今年も地域医療に精一杯貢献できるようにスタッフ一同頑張っていきます。

さて、昨年の年末から今年始めの寒波がつらく、家に閉じこもっていた方も多いかと思います。私自身も家に閉じこもっておりました。寒いのは苦手です・・・

というわけで今回のテーマは冷えと頻尿についての関係について僕の知っている限りで説明させてもらいたいです。

 まず冷えると頻尿になるという訴えは正しいと思います。しかし、現在の西洋医学に「冷える」という概念が存在しません。ただし、論文レベルでは冷えにより頻尿になることは分かっています。ラット(ねずみ)の実験では急に冷やすことにより頻尿になることが分かっています。

 冷えること、寒冷刺激により血圧が上昇することは分かっています。これらは交感神経が活発になるために起こります。このため、急に冷える→頻尿になるということは、交感神経が一部関与したことである可能性があるということです。これについても無髄C線維という膀胱から脊髄への神経の伝達路が関与しているというおもしろい論文があります。というわけで実は冷えの頻尿には通常の副交感神経を抑制する抗コリン薬はききにくい可能性があります。(かといって全く効かないということもないと思います。こうなる時点でおそらく頻尿になる原因のある予備軍であったように感じる方が多いです。)逆に交感神経を抑えると少しマシになるということも言われています。

 次に冷え症になりやすい方はどのような方でしょうか?これについては閉経後の女性、高血圧、糖尿病の方などが多いです。では、これらの方は頻尿についてあきらめるしかないのでしょうか?

 実は冷えた足を暖めると頻尿は改善をします。このため、末梢を温める運動をしてもらうなどは有効です。ウォーキング程度でいいので運動をしてください。温めるのもいいと思います。お風呂は肩までつかってください。寝る前に足を暖かくして寝てください。

 しかし、そもそも何故冷えると頻尿になるのか自体はまだ解明されていません。ラットでも起こるので生物共通のことなのかもしれません。生命の不思議を感じます。

 今回は以上です。ありがとうございました。

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