Director's blog
2022年6月4日
院長の沖です。だいぶ暖かくなってきたと思ったら、すぐ夏が来たような暑さになっています。最近は外に出るだけでぐったりしてしまいます。
今回は男性目線で、座って尿をすると尿がうまく出せないということを外来でお伺いしますのでそれについて、論文などを参考にお伝えしたいと思います。
まず、どれくらいの割合の人が座って小便をしているかということですが、これは有名なおむつ会社がアンケートをしています。
まずは自宅では立ってするが48.7%、座ってするが51.3%で少し、座っているが多かったです。しかし外に出ると立ってするが91.1%、座ってするが8.9%と明らかに立ってが多くなります。外では座らないんですね・・・掃除する方の影響ですかね・・・
次に年代別に見てみると自宅での尿の仕方は20歳代~30歳代は座ってが50%超えており、40歳代~50歳代は逆に立ってする派が多くなります。ここらの世代間の違いって教育なんですかね?面白い結果です。
次に排尿の効率自体、どちらがいいかということについてですが、こちらについてもまとめてあるものがありました。2014年に出た論文では、まずは正常の排尿の人では座っても、たって尿をしてもどちらも変わりはないという結果でした。ただ前立腺肥大症などの排尿障害を有する人は座ったほうが、明らかに残尿が少なくなり、統計的な有意差はないのですが、勢いも良くなり、排尿状態も短くなるという結果でした。
排尿障害がある人は積極的に座ってしてもいいかもしれないですね。しかしその後に少し尿がズボン内に少し垂れてしまうと言われる方が多いです。これは尿線滴下といい、尿道の中に残った尿がうまく出しきれずに出てしまいます。
このような方におすすめなのが排尿後の陰嚢の裏側の付け根の部分の圧迫です。これで尿道内の尿を出してしまうことが有効です。試してみてください。
参考資料
1)立位排尿と座位排尿が前立腺肥大患者に与える影響:
Ype de Jong ,et. al. Urinating Standing versus Sitting: Position Is of Influence in Men with Prostate Enlargement. A Systematic Review and Meta-Analysis. uly 22, 2014 DOI journal.pone.0101320
2)立つか座るか?トイレの排尿姿勢で「ちょいモレ」に影響あり!?