症状

About symptoms

加齢男性性腺機能低下症(LOH)症候群について

About Late-onset hypogonadism

ロゴ ポイントのまとめ

  • LOH((late-onset hypogonadism:加齢男性性腺機能低下)症候群とは、加齢とアンドロゲン低下に伴う症状が出る疾患です。
  • 一般に40歳代から60歳代で仕事をまじめにされ、忙しく、ストレスがかかる人に多い疾患です。
  • 本人の自覚症状として倦怠感、気力の低下、性欲低下、勃起不全、不眠、筋力低下、頭痛、ほてりが症状として現れます。
  • 他覚所見として内臓脂肪の増加、体毛と皮膚の変化、骨がもろくなる骨粗鬆症があります。
  • 検査として問診を最初にしますが、うつ病との鑑別が難しいことが多々あります。
  • 代表的な問診表としてAMS(Aging males’symptoms)問診表があります。
  • テストステロンの採血は診断のためにも非常に重要となります。
  • テストステロンは起床時に最も数値が高くなるので、採血は早朝に行います。
  • LOH症候群の治療はフリーテストステロンの値により決定します。
  • フリーテストステロンが低値の場合にはアンドロゲン補充療法を行います。
  • アンドロゲン補充療法にはエナント酸テストステロン筋肉注射、胎盤性性腺刺激ホルモン筋肉注射、男性ホルモン軟膏の陰嚢皮膚への塗布があります。
  • 副作用には前立腺癌、不妊、精巣萎縮、多血症などがあります。

ロゴ 加齢男性性腺機能低下症(LOH)症候群とは

LOH((late-onset hypogonadism:加齢男性性腺機能低下)症候群とは、加齢とアンドロゲン低下に伴う典型的な症状に関連する症候であり、これにより個人のQOL(quality of life)や多臓器に障害を及ぼす可能性がある状態です。このため、アンドロゲン低下により起こされる症状といえます。
一般に40歳代から60歳代で仕事をまじめにされ、忙しく、ストレスがかかる人に多いです。またもともとまじめな方たちなので、受診するきっかけも仕事を継続するために受診を希望される方が多いです。

ロゴ 症状

本人の自覚症状として倦怠感、気力の低下、性欲低下、勃起不全、不眠、筋力低下、頭痛、ほてりが症状として現れます。それ以外には体の変化として、内臓脂肪の増加、体毛と皮膚の変化、骨がもろくなる骨粗鬆症があります。

倦怠感

ロゴ 男性ホルモンについて

主な男性ホルモン(アンドロゲン)は精巣によって作られるテストステロンになります。精巣で作られるテストステロンは全体の95%以上になります。
このテストステロンは血中ではいろいろなものとくっついて存在していることが多く、実際にホルモンとして作用しているのは、フリーテストステロンとアルブミン結合型テストステロンであり、テストステロンすべてのうちの25~65%位といわれています。
このうち診断に用いるフリーテストステロンは全体の1~2%です。このテストステロンは加齢と主に減少します。

ロゴ 検査

まずは問診を行います。
ここで重要になるのは、倦怠感、気力の低下といった症状はうつ病でも起こる症状であり、うつ病との鑑別が困難となることは多いです。
問診で代表的な問診表はAMS(Aging males’symptoms)問診表があります。自己記入式の問診表です。ご自身でやられてみて、異常があるようでしたら医療機関を受診されてもいいかもしれません。

LOH症候群に対する問診票(AMSスコア)で診断する

その後、採血にてフリーテストステロンの測定を行います。

この採血は早朝に行います。なぜなら、テストステロンは起床時に最も高く、午後には低下するためです。このため、LOH症候群の方の採血は朝一番で行います。クリニックに受診される際には当日は検査されないかもしれませんが、これはこのテストステロンの日内変動のためです。

採血

ロゴ 治療

LOH症候群の治療はテストステロンの値により決定します。フリーテストステロンというものを測定するのですが、これが8.5pg/ml未満、8.5~11.8pg/ml、11.8pg/ml以上で方針が分かれます。

まずはフリーテストステロンが8.5~11.8pg/mlの場合ですが、アンドロゲン補充療法を選択肢の一つとしながら症状や兆候の程度とアンドロゲン補充療法の副作用を加味して治療をするか相談となります。

11.8pg/ml以上の場合ですが、アンドロゲン補充療法はしません。個々の症状に対して対処を行うこととなります。(例えば勃起不全には勃起不全改善薬を処方するなど)

最後に8.5pg/ml未満についてです。40歳以上であることを前提とし、アンドロゲン補充療法を行います。

アンドロゲン補充療法にはエナント酸テストステロン筋肉注射、胎盤性性腺刺激ホルモン筋肉注射、男性ホルモン軟膏の陰嚢皮膚への塗布があります。

これらにて、テストステロンの補充を行うのですが、これらにも副作用があります。列挙しますと心血管系疾患(心筋梗塞など)、脂質代謝異常、多血症、体液貯留、前立腺肥大症、前立腺癌、肝毒性、睡眠時無呼吸症候群、女性化乳房、ざ瘡(ニキビ)、精巣萎縮、不妊、行動の変化があります。このため、最初からアンドロゲン補充療法を行えない人がいます。それは前立腺癌の人やその疑いのある人、前立腺が大きく排尿障害がある人、男性乳がんの人、多血症の人、重度の肝・腎・心機能の障害がある人、未治療の睡眠時無呼吸症候群がある人です。これらがあるため、治療後は定期的に採血や問診なのでフォローを行うこととなります。

上記はありますが、適切な治療を行えば、症状も改善が十分に期待できます。

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