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尿路結石症の検査について

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ロゴ 尿路結石の検査

まずは問診をお伺いします。過去の結石の既往があったか。家族で結石の方がいないかなどです。尿管結石の痛みがあった場合には、時間がはっきりわかるぐらいの激痛があります(疝痛発作といいます)ので参考にさせてもらっています。続き、検尿、腹部エコー、腹部単純X線検査(KUB)、腹部CT検査、静脈性腎盂造影(IVU)があります。

検尿

メインで見るのは血尿があるかどうかです。結石は尿路の周りの壁を傷つけるため、血尿が出ます。しかし、これも疝痛発作から日が立つと徐々になくなります。

加えて、白血球や細菌がいないかを確認します。これがある場合には尿路感染症を示唆する所見ですので、尿培養検査(どんな細菌か調べる検査)を行いながら抗生剤での治療を行います。

腹部エコー

腎、上部尿管、膀胱近傍の結石を識別することが可能です。これらの部位に存在する5mm以上の結石では感度、特異度とも95%以上です。

長所 簡便で、上部尿路の閉塞による水腎、水尿管(尿の通り道に尿がたまり腫れている所見です)の程度を診断するのに有用で、痛みも何もありません。
短所 全部位での診断率は,感度78%, 特異度31%となります。尿管結石では同定できないことも多いのが残念です。

※「感度」:簡単に言うと病気があって検査で陽性になる確率、「特異度」は病気がないものを正しく陰性と判定する確率と思ってください。

腹部単純X線検査(KUB)

KUBとはK:kidney(腎臓).U:ureter(尿管),B:bladder(膀胱)の 頭文字です。腎臓.尿管.膀胱が撮影範囲に入るようなX線の撮影方法を意味しています。このため、普通の腹部レントゲンとは少し違います。

KUBの診断率は感度14~77%,特異度80~87%と低いのが問題です。

長所 簡単に撮れるため、結石が確認できたあとのフォローに優れています。
短所 一部レントゲンに写らない結石があり、これには完全に無力です。

腹部CT検査

診断率は感度:94~100%、特異度:92~100%と高いです。

長所 尿路以外の腹部(肝臓とか)所見もわかります。KUBに写らない結石も同定可能です。また手術をする際なのですが、結石密度(HU Hounsfield unit)、内部構造、皮膚からの距離をみることができるので後の治療に有用な情報が得られます。
短所 放射線被曝量が多くなります。腎機能、尿路の形態などの情報が十分に得られないです。

静脈性腎盂造影(IVU)

IVUはintravenousurographyの略です。点滴で尿路を染める造影剤を点滴して、撮影を行います。

診断率は感度:51~66%,特異度:92~100%と低いのが難点です。

長所 上部尿路の通過障害や尿路奇形などの診断が可能で、治療計画の策定に有用です。
短所 尿管結石発作時は、疼痛の増強や尿の尿路外への溢流がみられることがあるので行わないのが通常です。ヨード造影剤を使うため造影剤アレルギー、重篤な甲状腺疾患、気管支喘息、多発性骨髄腫などの基礎疾患、重篤な心機能障害、腎機能障害のある患者には原則、撮影できません。

色々と検査を書いてきたのですが、当院ではまずはエコーにて尿の通り道の腫れ(水腎症や水尿管)を確認、できれば結石も確認し、この後、CTとKUBを撮り、結石がある場合にはKUBでフォローをします。

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