症状

About symptoms

尿路結石症の治療と再発予防について

About Treatment

ロゴ 尿路結石の治療

まず最初に結石の手術の前提ですが、現在は内視鏡の手術が発展し、現時点で開腹での結石の治療を行うことは一部の例外的例外を除きほぼないです。

まずは、尿道結石、膀胱結石です。これについては診断がついたら基本は手術です。尿道から入れる内視鏡手術で行います。(よほどの事がない限り開腹での手術はないです。)下半身麻酔で行うことが多いです。尿道結石は尿道内が狭く、作業がするのが大変なので、尿道結石は膀胱内に押し込み膀胱結石として治療をすることが多いです。この際には尿の出口より内視鏡をいれ、内視鏡の先に砕石の道具をつけ、これで結石を割ります。砕石器具はペンチのようなもの、圧縮空気を利用して割るもの(私のイメージとしては道路のコンクリートを割る機械です)、レーザーで割るものがあります。

次に腎結石、尿管結石です。
腎結石はあってもほとんど症状が出ることはないので、まずは尿管結石になった際の痛みの対処方法です。
この痛みは人生3大激痛の1つと言われるくらい痛いとのことです。幸い私はまだ経験がありません・・・痛みの機序は表のとおりです。

結石疼痛

表の通りで結石の粘膜損傷、結石による尿路の急激な閉塞、尿管が急に痙攣し縮まる事が痛みの原因になります。この際に疼痛の刺激は一部、腹部から嘔吐中枢へいき、吐き気や嘔吐も引き起こします。
この痛みの対処にはNSAIDsを使用します。これはロキソニン®やボルタレン®といったものです。他にも漢方の芍薬甘草湯を併用することもあります。
ここで一つ注意なのですが、結石は同じ部位でとどまると数時間から長くても半日で痛みは消失します。また結石が他の位置に移動したなどの際には痛みが出ることが多いのですが、ずっと詰まっていることもあり、このまま放置をすると結石の詰まっている腎臓の機能をだめにしてしまうことがあるので、結石は必ず泌尿器科でフォローをしてもらってください。
私も何人も途中で痛みがなくなったらと言って途中で通院しなくなり、腎臓の機能を失った方を見ています。必ず最後まで診てもらってください。

次に痛みの後にどうするかです。
腎結石、尿管結石は見たらすべて手術なのかと言うと違います。腎結石は基本1cmを超えない限り経過を見ることが多いと思います。感染を合併しているなどある場合には小さくても手術することがあります。
尿管結石なのですがこれはサイズにより経過を見るかどうか判断します。
長径10mm未満の尿管結石の多くは、自然排石が期待できるため、経過観察をすることが多いです。
では10mm以下の尿管結石がどれくらい確率で排石されるかというと、1mmは87%、2~4mmで76%、5~7mmで60%、8mm以上で39%という報告や5mm未満は68%、5~10mmは47%という報告があります。10mmを超えるとかなり排石困難となります。次にどれくらいの期間で出るかという問題ですが、2mm以下は8.2日、2~4mmは12.2日、4mm以上は22.1日で排石されるとされ、長径10mm以下の結石はその2/3が症状発症後の4週以内に排出されます。このため症状発現後1か月以内に自然排石を認めない場合には、腎機能障害や感染を避けるために手術という選択肢を選ぶことが多いです。
つまり、10mm以上は基本的にすぐ手術適応、10mm以下の場合には1ヶ月待って動きがなければ手術適応となります。

腎結石、尿管結石の手術での治療方針については大きさと場所で異なります。
腎結石についてです。
大きさにより治療方法が異なります。10mm未満の結石はESWL(後述します)、を最初に、10mm以上20mm未満は結石の腎臓の中での位置が問題となり、腎盂(腎臓で出来た尿が出てくる腎臓内の広いスペースです)、腎臓の上、真ん中ぐらいの場合にはESWL、PNL(後述します)、f-TUL(後述します)を行い、下にある場合にはPNLもしくはf-TULを行う。20mm以上の場合にはPNLを基本として行うようとなっています。

尿管結石については骨盤の骨より上の上部尿管結石では10mm未満でESWL、10mm以上でTULもしくはESWL、骨盤に一致する部位にある中部尿管結石では、TULもしくはESWL、骨盤の骨の間の部分である骨盤腔にある場合である、下部尿管結石では、10mm未満でTULもしくはESWL、10mm以上でTULと記載されています。
私の印象としては、骨盤より上の小さい尿管結石はESWLがいいと思いますが、骨盤より下の尿管結石や骨盤より上の大きい尿管結石はTULや腎臓の大きい腎結石はPNLでの対処がいいと思っています。いろいろな先生の意見があると思いますので、診断された先生の意見を聞いてみてください。

ロゴ 尿路結石の再発予防

生活習慣の改善と薬物療法があります。

生活習慣としては飲水指導、食事指導、生活習慣改善のための指導があります。
飲水指導として、水分は食事以外に2L以上摂取してください。飲み物としては水道水や安価なお茶がいいです。食事指導としては1日3食バランスをとり夕食から就寝まで4時間開けてください。塩分と動物タンパク質を控えめにして、シュウ酸を多く含むものを避けてください。シュウ酸は実は基本的にはすべてのものに入っています。これらの中で特に多いものというと、ほうれん草、たけのこ、チョコレート、紅茶、大根などがあります。食べすぎに注意してください。カルシウムをとるのは結石再発予防にいいです。クエン酸を多く含むものは積極的にとってください。レオンやグレープフルーツ、キウイ、パイナップルなどです。生活習慣改善として適切な運動を行い、体重を適正にするようにしてください。

薬物治療としてはサイアザイド、クエン酸製剤、尿酸生成抑制薬、マグネシウム製剤、シスチン合成阻害薬があります。サイアザイドとクエン酸製剤は、カルシウム結石の再発予防として用いることがあります。尿酸結石としてはクエン酸製剤と尿酸生成抑制薬、シスチン結石はクエン酸製剤とシスチン合成阻害薬を使うことがあります。

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